納屋町商店街の北西側に綺麗なお花が並んだ広い空間があります。
「なかむら 花・漬物店」は1954年に開業しました。元々は生け花「専慶流」の教授だった先代が京都伏見の観月橋という地区で開いていた花屋を納屋町商店街に移転し、同時に漬け物の販売も開始しました。現在では、店内の右側には旬のお漬け物、左側には季節のお花が、それぞれ色鮮やかに並んでいます。店主は二代目です。

【漬け物は発酵食品・保存食で、本来は賞味期限がないもの。そして漬ける人の手によって味が変わるんです】

62年かけた ぬか床が醸す味

先代、そして2代目の中村さんは、開業以来ぬか床を毎日混ぜ続けてきました。その間、実に62年です。「手を掛けて育てられたぬか床のうまみは、時代を超えた味わいなんだ。昔からの菌が、うちの店の味なんだ」と2代目中村さんは語ります。
日本に古くからある「お漬け物」は発酵食品・保存食で、本来は賞味期限がありません。しかし今一般に食卓に上がる漬け物の多くは「浅漬け」で、かつての漬物とは漬ける期間も味わいも異なります。半月以上漬けたなかむら製のきゅうりの漬物は、個人差はありますが、食べ始めはさわやかで、噛んでいるうちに口中に深みのあるすっぱさが広がります。とても深くて豊かな味わいなのが特長です。「昔の人が元気やったんは、こういうもの(発酵食品)を食べてたからやな」と、中村さんは語ります。お漬物は健康面でも良いとされることがあり、ご飯と一緒に食べると免疫力をアップさせると言われています。お店で取り扱う商品は中村さん自らが漬けたもの、もしくは信頼できる問屋さんが手塩にかけて作った逸品です。

栄養&うまみたっぷり 伏見の発酵食品

おすすめの漬物は、季節ごとに違い、夏のオススメはキュウリ、秋は白かぶらや大根菜など。冬に美味しいのは、ぬか漬け・千枚漬(聖護院かぶらを薄く輪切りにし、昆布とさとう、醸造酢などで味付けした京漬物)・すぐき。他にも店先には珍しいピーマンの漬物、昔馴染みの「養老漬」など多種類の漬物や、酒蔵の多い伏見ならではの酒粕やこぼれ梅(みりん粕)も並ぶ。伏見の食文化を支えてきた発酵食品も楽しめます。